あの日の記録

推しは神様じゃないけど解釈は信仰

推し、結婚おめでとう

前置き

  • 推しが結婚したのが嬉しすぎて、いてもたってもいられないので筆をとっています。推しが結婚したよ! っていう話を延々とします
  • 推し自身は、結婚したことを広く公表する気はないようなので、あくまで「推し」で通します。誰のことか分かった人も、答えは胸の内にしまっておいてください

本題

ご結婚おめでとうございます!!!!!(大声)

2021年3月某日、推しのファンクラブから真っ白い封筒が届いた。このファンクラブは頻繁に送付物がある方ではなく、普通郵便で送ってくるのは、基本的に茶封筒に入った会報だけなので、何の騒ぎだと血の気が引いた。チケットが送られてくるときでさえ、事務所のロゴが入ったマット紙の封筒なのに、まっさらなケント紙は明らかに異様だった。

前日もこの日も推しのTwitterは何一つ変わったところはなく、いつも通りの日常ツイートが投稿されたきりだった。だから、手紙の内容が全く想像できなかった。

事務所を畳むとか、ファンクラブを解散するとか、あるいは不祥事を起こしたとか、嫌な予想ばかりが大きくなっていく。そんな人ではないと信じている一方で、絶対にありえないことでもないと思うところもあるから、封を切る手が震えた。

中から出てきたのは、二つ折りにされた、これまた真っ白なメッセージカードだった。冒頭には、ファンクラブ会員向けメールと同じテンションの、時候の挨拶が印刷されている。何の変哲もない、暖かくなってきましたね的な話だ。

まさか、こんなことを伝えるために手紙を送ってくるはずはない。私はカードを一旦閉じたものの、深呼吸してもう一度広げて読み始めた。

そして目に飛び込んできたのが「結婚」の2文字だった。

正直、とても安心した。3つの意味で。

まず最初に、ずっとずっと「結婚したい」「家庭をもちたい」という発言を繰り返していた推しが、その希望を叶えられたことに、それはもう、めちゃくちゃ安心した。そして嬉しかった。この現代社会やこの芸能界において、「結婚したい」という気持ちが実を結ばない場合も多くあることを、ぼんやりとながら知っているから、その願いが実現したことをしみじみと噛み締めている。そして、「結婚したことをファンには伝えたいけれど広く知らしめたいわけではない」という本人の意思を汲んでくれる環境があることに、推しが今までに積み上げてきた周囲からの信頼の大きさを感じて、改めて推しのことを人望のある人だと思っている。心の底から、おめでとうございます。

それから、想像していたような悪い知らせではなかったことに安心した。三次元の人間を推す以上、ある程度の覚悟はしているとはいえ、やはり私は彼が変わらずに板の上に立ち続けてくれることを望んでいるのだ。それが叶わなくなったらどうしようと考えたことが、杞憂に終わってくれて助かった。

さらに、推しの結婚を喜べた私自身にも、とても安心した。私は私が推しの結婚を100%喜べるタイプだと信じて生きてきたし、今までに結婚した推しに対しても諸手を挙げて祝福してきたけれど、次に結婚する推しを祝えなかったらどうしようと心配になることがあった。どす黒い感情を抱いてしまったら嫌だなと思ったこともあったのだ。でもそんなことはなかった。本当に1000%の気持ちでお祝いしている。こういう性格に生まれてよかった。

ちなみに、結婚の兆候がなかったわけではない。去年、舞台業界が全面的にストップして推しの出る予定だった作品も中止になって、突然できた長期間の自由時間の中で、住んでいる家をひたすら片付けて掃除していたらしいのだ。それを聞いて、漠然と「誰かと暮らす予定でもあるのかなあ」と思っていた。

でも推しは週刊誌に撮られるようなことはなかったし、まことしやかな噂を囁かれることもなかった。隠し通した。めちゃくちゃ大変だっただろうし、神経をすり減らしただろう。それを最後まで貫き通してくれた推しのことを、私はものすごく誇りに思っている。

ところで、推しは数年前に一度、実際の結婚相手とは全く関係のない別の人と文春砲を食らったことがある。そのときは相手が相手だったこともあって、私は「さすがにガセでしょ、ありえない」と笑い飛ばしたのだけれど、当時「出会いのきっかけ」に仕立て上げられたあの作品が再演されるというタイミングで今回の結婚発表になったことは、無関係ではないように思ってしまう。邪推だけど。

推しは周りのことを考えられる人だし、同時にファンのことも考えられる人だ。1番に周りの人のこと、2番にファンのこと、3番に世界中のこと、そして4番目にやっと自分のことを考えているような人だ。だからあの文春の記事が出たときはかなり色々と思うところがあったのだろうし、今回もどう発表しようか悩んだんだろうという気がする。その上で結果としてこういう形をとった。それを私は尊重しているし、そういうところも好きだなと思う。

そして、推しは以前、俳優仲間とのトークの中で言っていた「○○歳になったら結婚する」の通りに、その年齢で結婚した。推し、そんな約束まで守ったんだね。かっこいい。本当にかっこいいよ。

改めて、推し、ご結婚おめでとうございます。あなたのことだから、きっと明るく楽しく、笑顔と音楽にあふれたあたたかいご家庭を築かれるのでしょう。お二人の健康と幸せを心から願っています。

そして、また一つあなたが望みを叶えたこと、自分がやりたいと思ったことを自分でつかみ取ったことを、本当に嬉しく思っています。私はあなたのそういう前向きでストイックで力強いところが好きだし、一度やると言ったことはきちんとやり遂げるところも好きです。

あなたは素敵な人です。たくさんの人に幸せを届け、夢を見せ、勇気を届けてくれる人です。だから、あなたが幸せそうにしているところを見るのが、私はものすごく嬉しいです。

これからもどうか、あなたが舞台上に持ってくるものがたくさんのハピネスを生み出すところを、一緒に見ていられますように。

推しの新たな門出に寄せて。本当におめでとうございます。