あの日の記録

推しは神様じゃないけど解釈は信仰

“奇跡”!(ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」イン コンサートに寄せて)

前置き

  • 好きだ! 劇場が好きだ、舞台が好きだ、ミュージカルが好きだ、音楽が好きだ、そしてもちろん、推しも好きだ。好きだ! 大好きだー!!!
  • 開いてる帝劇を外から見るだけで感激しすぎて大変だった(笑)
  • 帝国劇場の再開。ミュージカルの再開。その大きな一歩にふさわしい、素晴らしい公演でした。上演のために力を尽くしてくださった全ての皆様に感謝します
  • 静かな客席、近付けないキャスト同士、それでもたくさんの人の心にたくさんのものが届いたと思います。改めて、舞台ってすごいよ
  • あとやっぱりカメラチームの労働量がハンパない。本当にありがとうございます
  • 無観客配信で7/18,19の公演を拝見し、7/26に3回目にしてようやく、有観客&実際の劇場での観劇と相成りました。無事に幕が上がり、そして観客の拍手とともに幕が下りることを、ここまで幸せだと思えたのは初めてかもしれない
  • どうか千秋楽まで、これ以上何事もなく走りきれますように!
  • ここから下は書き殴り感想です。ネタバレ配慮なし&あらすじの解説もなし&推し(中川さん・藤岡さん)の話多めでお送りします

感想

開演まで

  • 自分でチケットをもぎって劇場に入って、ロビーの椅子は1席空けて座って、巡回してる係員さんも声をかけてこない。これが新しい観劇様式!?
  • ざわめきがなくシーンとした開演前の客席、異様っちゃ異様だけど意外と心地良かった
  • 開演前アナウンスの中川さんがめちゃめちゃ嬉しそうなので既に私も嬉しい

オープニング〜春

  • "Ces Soirees-La"で1人ずつピンスポ当たるとこがもう好き、テンション上がる
  • 尾上さんのトミーのオラオラ具合が、マジでこの新キャストのめっけもんだよなあと思うレベル。あの方を連れてきたの天才すぎる
  • 「この社会情勢の中で、中川晃教藤岡正明が互いに背中を預け合って帝劇でデュエットしている」という事実が素晴らしすぎて、天に感謝せざるを得ない。希望をありがとう。光をありがとう。これだけで既にチケ代の3倍くらい回収してる
  • 藤岡さんトミーと中川さんフランキー、相性が良すぎるのやめてもらっていいですか? 2人とも歌が上手すぎるし音楽ができすぎるのよ。そしてお互いに遠慮がないし、信頼してるから何でもできるし、瞬時に相手の出方を読んで合わせる。天才しかいない。あまりにも好き
  • 記憶が混乱してるのでここで合ってたか微妙だけど、藤岡さんトミーの背中側から肩をぽんぽんって払ってあげる中川さんフランキーが実在しましたね? お母さんかな?? 弟じゃなくお母さん?? ありがとう、だからこの2人が好きって何度でも言うからな
  • 中川さんのフランキー声には、体を内側からくすぐられてるような、美しいだけじゃないし強いだけでもない、抗い難い魅力があるんだよな。一生忘れない声。と、"Silhouettes"を聴きながら思いました
  • 劇場で生で聴くと、低音の存在のありがたさに改めて気付きますね。配信だとどうしても音が平面的になっちゃってあまり目立たないなと思ってたので、やっぱり生で聴くべきだ
  • フランキーがすっごいちゃんと子供でさ、「中川晃教さん、また16歳やってるー!」って感動してしまう。16歳が板につく37歳、ただ単にすごいよ
  • コンサート版だと、治安の悪さや荒廃してる雰囲気があんまり伝わらないけど、これはこれでいいのかもしれない。ただ単に楽しめる
  • 新旧トミーが2人で挑発し合ってるところめちゃくちゃ好き。可愛い。コンサート版だからできるこういう絡み、いいよね
  • 藤岡さんトミーの、良い奴じゃないんだけど全然悪い奴じゃない感じが好き。本当にあなたのトミーが好きすぎる。間違いなく性格は悪いしお金にだらしないし救いようのないクズなんだけど、お前フランキー大好きじゃん! なら許す! ってなれるトミー
  • というか、根本的に藤岡さんトミーはフランキーが大好きだよね(今更)。ここまでフランキー大好き!! なトミーを私は他に知らない
  • 「え、ニック? あいつは別だよ、あれは猿だから」って言ってケラケラ笑ってる藤岡さんトミーが、また何とも愛情深い感じでいいよね。ニックのことも大好きじゃんってなる
  • 尾上さんトミーと喋ってるフランキーにガンを飛ばす藤岡さんトミー、そういうとこも憎めないんだって
  • 教会のシーン、床にステンドグラスが映っててすごかったし、あそこは紛れもなく教会だった。でも、床は配信や1階席だと見えないの、もったいなさすぎる
  • この時期、歌詞も本当にピュアッピュアしてて、少年感があふれ出してる。若い! 特に"My Mother's Eyes"が、ちょっと背伸びした男の子って感じがして、ああ頑張って生きてるのねって微笑ましくなる
  • 「馬鹿言うな、僕の車なんだぞ!」(5歳児)。可愛い。可愛くない? 可愛いよ……。本当に地団駄踏んでそう
  • この頃のフランキーのぽやぽやした感じがすごく可愛い。ガラの悪いお兄さんに絡まれてもぽやぽやしてて「うん!」ってキラキラ笑顔で返事してるのが尊すぎる
  • 「恩に着るよ、トミー」って言った今日のフランキーは、マジでずっとこの恩を着てたな……と思った。素直に純粋ににトミーを慕ってたし、絶交してからもどこかでトミーが好きだったよね
  • "I Go Ape"の尾上さんトミーが、めちゃくちゃ楽しそうでいい具合に狂っていやがる(笑)
  • ジョー・ペシに対してガンギレしてる藤岡さんトミーと、泣きそうな顔してるペシが、2人とも可愛い。ディスタンスのないお芝居も観たい!!

  • 矢崎さんのボブが好き……! 好きだよ!! その! 一見どこにでもいそうな感じが! 好き! です!! 可愛い!!
  • 東さんボブは、それなりに厳しい金持ちの家で育ってる風格がある。何だかんだで自分の才能を疑ってないし、適切な自己肯定感をもってる感じ。あと落ち着きがある
  • 地味に、ボブとトミー・ニックの絡みがあんまりないのもったいないな……
  • "Short Shorts"、いい意味で垢抜けてないボブっていうか、ちょっと勢いのありすぎる少年っていうか、大人っぽさがないのが良いよね。絶妙にダサいんだけどそこがいい
  • この曲がヒットしたってどんな時代なんだろう、ってちょっと思った(笑) この曲が全米No.2ってすごいな?
  • "I'm In The Mood For Love"のときの矢崎さんボブがすごい! 声を聴くまでは「何だこいつ」って思ってた矢崎さんボブが、第一声で「あれ? こいつすげえな?」ってなって、ちょっと聴いて「いやいやいや、待って待って」って首を振っていて、「いやまさかこんなすげえ奴いるわけが……」みたいな顔したあと、歌い終わる頃には「すっげえ! こいつすっげえ!! 俺、すごい奴に出会っちゃった!!」ってなってるからね? カメラも矢崎さんボブを抜いてくれていいのよ?
  • 矢崎さんボブが語るフランキーとの出会い、マジで良すぎる。運命の出会いだ……。こういうのに弱すぎる、好きです
  • 高音もいける東さんボブ、歌が上手えな!?(今更)
  • "Cry For Me"はあまりにもエモい。最強。好き。つよつよのつよって感じ。フランキーがコーラスするバージョンは、ミュージカル版までおあずけだけどなあ! ボブ2人のデュエットもこれはこれで好き!
  • 矢崎さんボブの「そう、エンジェルが泣いた」が、ちょっと雄みがあってカッコ良かった。このメドレー、自分が歌ってない間もノリノリで踊ってるのすっごい可愛い
  • 加藤さんクルーの根っこは優しそうな感じと、法月さんクルーの腹に一物ありそうな感じ、結構対照的だよね
  • 現場主任の話をする矢崎さんボブ、平泉成さんのモノマネしてた……?!
  • "Sherry"を思い付いてしまった2人のボブが、矢崎さんの方は飛び跳ねそうっていうかだいぶ興奮してるんだけど、東さんの方は意外に冷静で、やっぱり通してミュージカル版で観たいなあという思いはある
  • ほんとに、全世界が爆発しちまったよ……。あなたたちのせいで
  • 「夏」という季節との親和性が高い"Sherry"という曲、パワーが凄すぎる。全身で音を浴びると、音楽で滝行をしているような気分になる
  • 無観客配信では空っぽの客席が映っていたところで、実際に観客が入ってるのが映ると、ものすごいグッときた。応援する側の熱気も感じるし、あの人たちが応援されていたのだということをより一層感じられる
  • 客席みんな"Big Girls Don't Cry"のサビが踊れるの、さすが素晴らしいね
  • 2チームの印象としては、「外向きに個性が尖っている緑」「内向きにそれぞれが重なり合ってる黒」という感じ。華やかさで言えば緑の方が上だけど、一体感で言えば黒の方が上だし、清々しさで言えば緑の方が上で、あたたかさで言えば黒の方が上なので、何が言いたいかというと、どっちも素敵なのでやっぱりミュージカル版やろうぜ……、なあ…………
  • 中川さんのトワングが圧倒的なのは、わざわざ私が言及するまでもないとしても書いておきたいし、藤岡さんの音楽的技術のハイレベルさも強調しておきたい。あの人がいるだけであそこまで音がまとまるの、すごすぎる
  • 配信と違って重層的に音が伝わってくるの、やっぱり劇場っていいなと思わせてくれる。低音から高音まできっちりピースが嵌ってハーモニーが生まれる、これなんだよ
  • 矢崎さんボブの「パートナーシップを結ぼう」ってセリフの言い方、下心が1ミリもなくて、ただただフランキーに歌ってほしいっていうのが伝わってきてしんどい。そしてその返事の「乗った!」っていうフランキーのセリフもまた、純粋で混じり気がない
  • 今日のフランキーは、ちょっといたずらっ子みたいな目をするときがあるんだけど、基本はすごく真っ直ぐで打たれ弱くて寂しがり屋だったなと思った
  • 矢崎広が帝劇を縦横無尽に駆け回っている」という事実、あまりに尊すぎて眩しい
  • "Decemberr '63"のとき、照明がすっごいカラフルなんですよね。全体通してあの曲のときだけ。それだけ夢の世界だったんだな
  • 大音さんの高音! 綺麗!!
  • 矢崎さんボブのキラキラ笑顔が大好きでさ、大好きなんです。守りたいその笑顔
  • ガールズとよろしくやってるときの映像を見ている矢崎さんボブが、自分が映ったときに「見ないで!」って感じのジェスチャーをしてたのがまたキュンときちゃった……。可愛い。でもその割に、ニュートン物理学を引用しながら家族の話をするときは普通にゲス野郎すぎて「お前さあ」って思うんだよね。そういうギャップも含めて好きです
  • 東さんボブが歌う"My Eyes Adored You"、すっごい切なくて沁みる。大人だ……、酸いも甘いも分かる大人だ、ってなる
  • 「僕たちはザ・ビートルズのような社会現象ではなかった」から始まる一連のセリフ、好きだなあ。矢崎さんボブの地に足ついてる感も相まって、その素朴さや泥臭さが好き
  • 1回目は堂々と「夏です! 夏真っ盛りです!! 人生絶好調です!!」って感じの"Walk Like A Man"だけど、2回目は「もう夏は終わりました。あとは転落です」って感じの"Walk Like A Man"なの、本当にずるいよな。好きじゃないわけないじゃん。こんなに憎いリプライズもなかなかないぜ

  • ニックの影が薄いのは、物語上とても正しいんだけど、私がまだニックという人間についてうまく捉えられてないな。分からない、彼は何者なんだ……
  • そのせいで、フランキーが随分とニックにご執心な理由も分からないんだよね。まあ、実質トミーに対してブチギレてるところしか観てないから、そりゃそうかもしれないが
  • それでも、大山さんニックがいい人そうで、spiさんニックが気が強そうなのは分かる。大山さんニックは、実の子供に自分をおじさんだと思い込ませたとしても、それが最善だと信じてそうなところがちょっと怖いけど
  • "Big Man In Town"の歌い終わりで、フランキーと視線を交わす大山さんニック、そこに「何か」があると感じさせてくれてとても良い。ただ、その「何か」が実際何なのかが、まだ私にはつかめてない
  • 藤岡さんトミーで見せられると、「トミーも悪気があってロレインを寝取ったわけじゃないんだよ!」って言いたくなってしまうこの感じ。後先考えてないだけで、何らかの意図があってとった行動ではなさそう
  • 今日のspiさんニックによる"Beggin'"、圧が強くなかった? 怒ってたようにさえ聞こえた……
  • 藤岡さんとspiさん、同じチームでやったことあるんじゃないかって錯覚しそうになるね。映像の編集マジですごい。流れが自然すぎて、知らない人は気付かないと思う
  • 今年のコメント動画で、spiさんが「どうしようもない4人」っていう言い方をしていらしたけど、ほんとそれなんだよな(笑) こいつらどうしようもねえ、手が付けられねえ
  • キレてるんだけど捲し立てないspiさんニック。ふつふつと怒ってはいるんだけど、それをそのままぶつけてもしょうがないことは分かってる感じ
  • 藤岡さんトミーが不貞腐れてるのが可愛いと思ってる私は末期だろうか
  • spiさんニックが話し始めたところで止めようとするフランキー、じっと見てる矢崎さんボブ、不満そうな藤岡さんトミー。きっとみんなグループのことは大好きで、解散したくて集まってるわけじゃなくて、でもどうしようもなく噛み合わないんだなあ……
  • それにしても、ニックはむしろ10年もよく耐えたよ。もっと早く怒ってよかったでしょうに。そしてその異常さに気づかないトミーもだいぶおかしい。けどこれが事実なんだとしたら怖いな
  • 「有り得ない額の借金するし、タオルを全部使わなきゃ気が済まないし、洗面台をトイレ代わりにするし、フランキーにほとんど取り分を渡してない」と分かっていても、やっぱりトミーを嫌いになれないのは何なんだろう。愛嬌? 彼にも純真なところがあるって知ってるから?
  • 「俺がいなくなったことにも気付かずにやっていけるだろう」って言い残して去るspiさんニックの、怒ってはいるんだけどどこか後ろ髪を引かれるような、今ここで線引きをしなくちゃって決めているような、苦々しい表情がつらい……
  • 苦しい苦しい"Stay"。行かないでニック! でも同時に、「もう二度と戻らない」ということを瞬間的に理解してしまう曲でもある。覆水盆に返らず、なのだ
  • こうしてバラバラになってしまったグループで、それでもフランキーは歌い続ける。彼のいるところに音楽はある
  • "Let's Hang On"を聴くと、一気に「フランキー、年取ったな……」って思う。いい意味で。声も佇まいも熟成されてきてる。無垢な少年のままじゃいられない経験をたくさんしてきて、それがちゃんと音楽に表れてる

  • 持ち前の光属性パワーが、孤独の闇に打ち勝ててない。音楽が光であればあるほど、闇が際立つ。1人で歌うのは寂しいね、フランキー
  • あれだけひどい奴だとしても、フランキーはトミーを嫌いになんてなれないんだよね。だってお兄ちゃんだったものね
  • 7/18のフランキーは「寂しいなんて言うもんか! 俺は負けないぞ!」タイプで、7/19のフランキーは「寂しくないよ、だって僕にはボブがいるから」タイプだったなと思ってたけど、今日のフランキーは「寂しい……誰か助けて……僕はここだよ……」タイプでした。失ったものを探しながら彷徨っていた
  • でもこの冬が、音楽的には一番自由に伸び伸びやってる気がする。思うままに好き勝手やってる。少年時代のあの「天性の才能だけで伸び伸び歌ってる」感じとは違って、確かな技術に裏打ちされた自由さだけどね
  • 今日のフランキーはきっと、襲いくる闇を跳ね除けようとしてたんじゃなくて、受け入れて共存しようとしてたんだと思う。"C'mon Marianne"も"Can't Take My Eyes Off You"も
  • 「この曲は僕が出す」ってキッパリ言い切る矢崎さんボブ、これぞフランキーの相棒って感じで好きだ
  • "Can't Take My Eyes Off You"のあの前奏が始まって、下手側から一歩一歩踏みしめながら登場するフランキー、すっごいカッコ良すぎた。風格がヤバい。覇者
  • あれ、こんなに「苦しいけどそこに希望はあるよ」って歌だったっけ? って不思議に思うくらい、フランキーの苦悩と強さとが見える"Can't Take My Eyes Off You"でした。何十回も聴いてるけど、毎回新鮮な驚きと感動をくれる。あの人はやっぱりすごい人だよ
  • 完全にショーストップ。そして本当に嬉しそうに拍手喝采を浴びているフランキーが愛おしい。公演できて良かったよ……、素晴らしいよこの光景
  • 帝劇にミラーボールが灯っているのを見るの、初めてかも。良いものだね。絶対的王者が光を放つために存在していた空間だった
  • 今日は全体的に、歌もセリフもあまり後ろにためることなくサラッといったので、逆に寂しさを感じる。強がることすらできないんだなあ。フランキーの心にぽっかり開いてる穴があって、でも本人はその大きさに気付いてないみたい。あるいは意図的に蓋をしてるのか
  • 上手く言えないんだけど、音楽を抱きしめるような歌い方するよね。本当に歌が好きで、音楽が好きで、伝えることが好きで、そこに立っていてくれるんだなって思う
  • "Workin' My Way Back To You"の振りが何とも微妙にダサいのを見ると、フランキーは随分おじさんになったなって思うね(笑) それだけ中川さんの演技がすごいってことだよ!
  • 「気分がいい、歌もいい」の韻の踏み方がやたら好きだったりする
  • ここのセリフのフランキーが、老成してきて達観している様子も確かにありつつ、時折少年時代のぽやっとした笑顔を見せるのが、すっごい胸にきた。どんなに色んな経験をしても、波乱万丈の人生を送っても、純粋に音楽を愛する気持ちはずっと失ってないんだなって思った
  • そう、夜はいつか終わるし昼もいつか終わる。全てのことはいつか終わるんだ。良いことも、悪いことも
  • この「フランシーヌが……」のところは、全部フランキーにもっていかれて、文字通り目が釘付けってやつです。あああああつらいねフランキー! って叫びたい。感情を言語化できないまま、ただただ立ち尽くしているフランキーが本当につらい。でもそんな中川さんの悲しみの表現が好き
  • 中川晃教 as フランキー・ヴァリ、神なのでは? あるいは天使か? あなたは本当にこの世の存在か? 人智を越えてませんか?
  • "Fallen Angel"……。あまりに歌が上手すぎると人は神になるのだな、と思わされてしまった。この世に泰平をもたらしそうな歌でした。鎮魂歌としてあまりにも上質すぎるよ。悲しみも苦しみも全部抱きとめて、明日への活力に変えてしまうんだもの
  • 歌い終わって捌けるときに、まるでフランキーが天界に帰っていくかのように思えた。照明がまた憎いんだこれが。日が落ちる直前の、波長が短くてギラっとした色で焦げそうな温度の中に、確かな温もりと優しさと一抹の寂寞を感じる光なんだよ
  • フランキーのソロをたくさん聴いた後で4人(7人)のセッションを聴くと、「帰ってきたー!」ってなるね。まさに再会。4人の再会であり、観客とグループの再会でもある
  • 藤岡さんトミーがフランシーヌの話をしてるのを見てると「随分と丸くなったけど、良い意味での子供っぽさが消えたわけじゃないな」って思うし、それにちゃんと目を見て返事をするフランキーからは「傷は時間が癒してくれるけど、絆は時間で消えたりしない」って思う。最高の再会すぎる
  • この「ありがとう、トミー」は、回によってうっすら笑ったり笑わなかったりするんだけど、どっちもすごくいい。トミーが大好きなんだなって再確認する
  • 「同じ部屋なの?!」ってびっくりしてる東さんボブが、妙にあどけなくて好き
  • 自分用のタオル持ってくるニック、可愛いな
  • 4人のモノローグを聴くとしみじみしちゃうね。まさに「4つの生涯」があってここまできたんだなって。みんなそれぞれすごい人生を歩んでる
  • トミーがいなかったらこの話は始まらないので、ああやって何かを始めようとするエネルギーは本当に尊敬する。そして彼はいつもムードメーカーだったし、グループのエンジンみたいなものだったな。そりゃ無茶苦茶で破天荒で迷惑な奴だけど、悪い人ではないのだよね
  • そしてボブ。この2人の「お互いがお互いを自分だと思ってる感」が好き。自分が話してるところをもう1人の自分が見ながら「うんうん」って頷いてるの
  • この話、結局真っ当に生きたのはボブだけなので、本当に苦労したね、よく頑張ったねって言いたくなる。そしてボートの上でまったりする老後が送れて良かったね。最後までキラキラ笑ってて、いい具合に自信家なところも好きだよ
  • あとやっぱり、ボブがフランキー大好きなのがしんどいね。ちょっと一方通行にも見えるけど
  • ニックは大人だな。ちょっと離れたところから静かに見ている。何で辞めようと決めたのか、多くを語らなかった彼が初めて話す「家に帰りたかった」って話は、「そうだったのか」って謎が解けるような感覚の一方で、「そうだよね」って共感できるところもある
  • でも未練たらたらなんだよな。わざわざフランキーが歌うところを見に行って、一緒に歌うんだもん。今なら軽いstk扱いされますよそれ
  • フランキーが探してる"home"は「音楽」だけど、ニックがほしかった"home"は「安らげる場所」なんだろう
  • ニックは、裏取引は水に流せるし、トミーの横暴さにも目を瞑れるのに、自分が目立たないのは我慢ならないんだなあ。ここらへんが、私がニックをイマイチ分からない理由な気がする
  • 外側から見ていると、きっとこのグループの変遷って謎だらけで、いつの間にか分裂していつの間にか違う人が入って、みたいな感じだったんだろうな。私はそれを内側から見ているから不思議に思わないだけで
  • 音楽って何なんだろう……
  • ニックの「『家』に帰りたかった」、フランキーの「君に『家庭』と『家族』があるなら、僕よりはるかにもってるってこと」「音楽を追いかけて、『家』にたどり着こうとして」。キーワードは『家』だろうなとは思うんだけど、まだ私の頭の中でつながってない。考えていればいつか分かるのか、それとも経験を積めば分かるのか、いつまでも分からないままなのか分からないけど、いつか分かりたい
  • 電池で動くウサギを指でやって見せて、「カシャン、カシャン」って音も言いながら「こんな感じかな?」って訊くフランキー、不意打ちで可愛すぎた。そういう無邪気さも好きなんです
  • 元々別にミュージカルの締めに使うために作られた曲じゃないはずなんですが、こう「色んなことがあったけど、いい話だったね!」でまとめるのに似合ってしまう"Who Loves You"。華々しい集大成であり、潔い終わりだなと思う。後腐れはなく、大輪の花火のような儚ささえある

カーテンコール

  • 話がスッと綺麗に終わるからか、皆さんカテコが素なのいいよね。あんまり役を引きずってない
  • キャスト全員のお名前を呼んで、バンドメンバーの紹介もして、っていうのは、コンサートっぽくて好き。ミュージカルらしくはないけど、全員が1つのカンパニーなんだって思えるし
  • キャスト紹介の担当が中川さんなのは、座長なので順当だけど、中川さんの紹介をするのが藤岡さんなのは、そこに意図しか感じないので好きです。推されている……
  • "Can't Take My Eyes Off You"が中川さんと藤岡さんのデュエットなのが幸せでたまらない。しかも「事前に打ち合わせをして音を決めてるのではなく、そのときその場で生まれたものが感情のままに音に乗ってる」タイプの音楽だよねあれ。好き。大好き。ここを『家』と呼べるんじゃないかと思うくらい好き
  • 中川さんが"You're just too good to be true"って歌い始めたときは、わざと大柄な大山さん・東さんの影に隠れていた藤岡さんが、絶妙なタイミングでバンと出ていってハモりを入れたときは、あまりの可愛さと音楽の美しさに息が詰まってしまった
  • 今日の挨拶は、中川さんから「お客さんの前で演れて嬉しいです! 本当に奇跡だと思います! ありがとう!」というお話と、拍手を自在に操る尾上さんと、それにちょこちょこ嬉しそうにツッコんでる藤岡さんでした。中川さん&藤岡さんが自由人(別名・やりたい放題)なのは知ってたけど、尾上さんもだいぶフリーダムだね。いいね、私はそういう役者さんが好きだよ
  • というか、舞台の上で物怖じせずに何でもやれる役者さんが好きなので、中川さんや藤岡さんはもちろん、ボブsやニックsがかなりはっちゃけてるのを観るのも大好き
  • ラスト、2階後方まで届く、綺麗で力強い肉声で「ありがとうございました!」って仰った中川さん、すごく格好良かった。すごく。神々しかった

総括して

  • 2時間で、4人(7人)がしっかり人生を生きたことが追体験できるから、それがものすごく重く響いてきて、「人生……これが人生…………(語彙力)」ってなる
  • 映像が随所でいい仕事するし、照明も素敵だったな。阿部さんジップ……!
  • 衣装は本公演に比べてシンプルで数も少ないけど、上品だしこれはこれで好き。東さんの足が長すぎてタキシードが似合いすぎるのが良かった
  • 普段は何だかんだ色々言ったりしますけど、私はこの作品すごい好きなんだなって思った。音楽も、物語としても
  • 今年は本当に色々なことがあったけど、上演まで漕ぎつけてただただ良かった。たくさんの方々の誠意と情熱に支えられて、ここまできたよね。ありがとうございます。そして、ソーシャルディスタンスが必要なくなった暁には、ぜひミュージカル版も観せてください! お願いします!!

余談

  • 今読み返したらめちゃくちゃ冬が長くて笑った、あの人のオタクなので許してください
  • 中川さんと藤岡さんを並行して推してきた身としては、この"JERSEY BOYS"が「フランキーとトミー」の物語なのか「中川晃教藤岡正明」の物語なのか分からなくなりそうなくらい、2人はフランキーとトミーみたいなところあるよねって思います。もちろんこの人たちは全くクズではないけど! このお2人がまたこの作品に出てくださったのが本当に嬉しい
  • 私が中川さんの声に最初に惚れ込んだのがこの"JERSEY BOYS"という作品の初演PVだったので、やっと原点に帰ってこれた気もして感慨深い。何度も書くけど本当に嬉しい